更年期とは?
更年期の始まりは「月経異常」
月経が早くなったり、遅くなったり、不正出血があったり・・・
ここから閉経を経て、その後5年くらいまでを「更年期」と呼びます。
目安としては45歳から55歳とされています。
これは50歳くらいで閉経する女性が多いためです。
閉経を迎える年齢は個人差があり、30代後半から60代前半までさまざまだそうです。
そもそもの始まり「月経異常」①
なぜ月経異常がおき、そして閉経するのか?
それは全て「卵巣機能の衰え」です。
卵巣から分泌されている女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)が減少します。
これが身体面、精神面に影響を及ぼします。
そもそもの始まり「月経異常」②
月経異常とは、月経が早くなったり遅くなったり、不正出血することなどを言います。
エストロゲンとプロゲステロンの働きにより月経がおこります。
月経の出血は、厚くなった子宮内膜がプロゲステロンによってやわらかくされ落ちてくるもの。
ですが、不正出血の場合は月経周期と関係なく出血があります。
妊娠ホルモンであるプロゲステロンが分泌されなくなると、子宮内膜はどんどん厚くなります。
厚くなりすぎたときに落ちてくるので、周期的なものではありません。。
これを破綻出血と言います。
ホルモンバランスの崩れ
脳からの指令によって、卵巣がエストロゲンを分泌します。
でも卵巣機能が年齢とともに低下し、ホルモンの分泌も減少していきます。
そうすると、下垂体から「性腺刺激ホルモン(FSC、LH)が分泌され、卵巣からの分泌を促します。
しかし卵巣機能が低下していれば十分なエストロゲンを分泌できません。
今度は視床下部から「性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GuSH)」が分泌され、下垂体からの
ホルモン分泌を促します。
卵巣からはエストロゲンが分泌できないのに、脳から「出せ!出せ!」と指令が送られます。
結局、性腺刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン分泌ホルモンがいっぱいになり
ホルモンのバランスは崩れてしまうのです。
視床下部がパンク状態に・・・
このような状態から、体のさまざまな部分に影響がでます。
そのため自律神経失調症のような症状があらわれたりするのです。
さまざまな不定愁訴
不定愁訴とは、体は壊れていないのにいろいろ感じる不快感のようなもので
自分ではとっても具合が悪いのに、病院で検査してもどこも悪くない・・といううなことです。
更年期には、ホルモンのアンバランスからさまざまな症状が出てきます。
①血管運動神経系・・・ほてり(ホットフラッシュ)、汗、冷え
②運動器系・・・・・・・・・肩こり、腰痛、関節痛
③精神神経系・・・・・・・頭痛、不安、いらいら、不眠
④知覚系・・・・・・・・・・・しびれ、にぶり
上記のような事を「更年期症状」と言います。
その症状が日常生活に支障をきたすものを「更年期障害」と言います。
更年期症状を感じる人は、2人に1人。
その中で更年期障害の人は4人に1人だそうです。
更年期に入ったからと言って、全ての女性が「障害」と感じるのではありません。
どんな人がなるの?
全ての人が「更年期障害」を感じるのでなければ、自分はどうなのか・・・?
性格の几帳面な人や、ストレスを多く抱えてる人などが
症状を強く感じやすいようです。
どうしたらいいかな・・・
症状を感じるかどうかは別として、「更年期」は必ず訪れます。
誰にでもある自然のことなので、まずは不安にならない事。
ストレスを抱えいるようなら、解消する方向へ向けること。
症状があったら、家族に理解を求める事。
症状が苦痛であれば、婦人科などで相談する事。
カウンセリングやホルモン補充療法などがあるそうです。
体の調子を整えるために、栄養バランスを考えて食事をしたり、運動をする事。
女性ホルモンはすごい
【女性ホルモンの主な働き】
皮膚に・・・コラーゲンを増し、ハリのある肌をつくる
生殖器に・・・妊娠出産に向けて器官を成熟させ、全体に働きかける
乳房に・・・乳房を発達させふっくらとした形を保つ
循環器・脂質代謝に・・・心臓や血管の病気にかかりにくくする
骨に・・・骨代謝に関わって、骨を強く保つ
体温に・・・体温調節中枢に働きかけて、基礎体温を2相性にする(高温期・低温期)
【女性ホルモンが減る事による体の変化】
自律神経が乱れてくる
月経が不規則になる
排卵が不規則になり、なくなる
閉経する
膣内の粘膜が薄くなり、潤いがなくなる
膣の自浄作用が低下する
排尿器官の括約筋や膀胱粘膜の萎縮が起きる
皮膚のしわ、たるみ、しみ等がふえる
皮膚にしびれ、かゆみ、蟻走感を感じる
骨量が減少する
皮下脂肪が厚くなり、体重が増加する
動脈硬化をきたしやすくなる
精神・神経症状が現れる
更年期は第2の人生の出発点
更年期で人生終わりではありません。
年齢的には、その先はまだまだ長いものです。
更年期を境に今までとは違った健康管理をして、いきいきと生活していきましょう。
参考資料
・「あなたへ 更年期で変わる心とからだ」(財)家庭保健生活指導センター 更年期女性保健教材
・「更年期をいきいきと過ごすために」千葉市保健所資料
2004年2月26日 千葉市保健センター講演会
講師 小林章弘先生(千葉市医師会医師)
更年期をいきいきと過ごす為に